代表 隈本知伸の想い

代表 隈本知伸の想い

隈本木工所代表の隈本知伸です。
2019年に創業120年を迎える「隈本コマ」は、私で6代目になります。
福岡県の40代以上の男性なら、誰もが幼いころに手にしたであろう鉄芯(てつしん)を使った木製の独楽(こま)。
この「博多こま」「八女こま」をつくっている木工所は現在、私どもの隈本コマだけになりました。

テレビゲームの登場による子どものこま離れに加え、木材の高騰や鉄芯をつくる会社もなくなるなど材料の入手が困難になり、私たちこま職人を取り巻く環境は年々厳しくなっています。
それでも、私はこまを作り続けていきます。

昔の子どもたちは、外遊びを通して、社会でのルールを学んでいきました。
どこの町内にも、ガキ大将が1人はいて、そのガキ大将を頂点に縦社会が出来上がり、自分たちでルールをつくって遊んでいたものです。
時には上級生が下級生に遊びの仕方を教え、リーダーシップの訓練をしました。
時には遊びで競争をし、勝つことの喜び、負けることの悔しさを知りました。
時には遊びでエキサイトして喧嘩になり、殴り、殴られて、痛みを知りしました。
そんなすべてが、大人社会に出るための勉強。
その勉強の中の“教材”として、こまがあったのです。

私は他人とコミュニケーションが取れない人が増え、引きこもりなどが社会問題化している今こそ、こまのような昔遊びが、必要だと思うのです。
だからこそ、「喧嘩ごま」をして遊んだあの日の思い出を思い出で終わらせず、「現代に再現させてみせる」と心に誓い、今日もこまを作り続けているのです。