隈本コマの木育目標
隈本木工所(隈本コマ)は今、「木育(もくいく)」に力を入れています。
私たちが行う木育活動の目標は、九州産の木を使用することで、九州、特に地元八女の森林を健全な状態に保つこと。
そして、木が好きな人、将来木に携わる仕事に就きたいという子どもたちを増やしていくことです。
われわれ隈本コマは、木とともに1世紀を超える歴史を歩んできました。
地元福岡県八女市の豊かな森林があったからこそ、今があります。
しかし、国内では安価な外材に押されるように、林業が衰退。
後継者不足で、日本全国の山々が荒れて社会問題となっています。
八女も例外ではありません。
“適齢期”の木が切られず、放置されると、木が成長しすぎて、森がぎゅうぎゅう詰めに。
結果、日光が木に行き渡らなくなり、森全体が弱っていきます。
木は適度に伐採して、新たに植林していくことが、森林を健全に保つのに必要なことです。
昔から木に親しんできたこま職人にとって、地元の森が弱っていくのを見過ごせません。
だから隈本コマは八女のスギ、ヒノキ、さらに九州産の木材にこだわり、使っていこうと決めました。
隈本コマが使用するのは、成長しすぎたために柱材とするには、大きすぎて活用できない木です。
八女には、伐採すべきだった「成長しすぎの木」がたくさんあります。
成長しすぎの木を切ることで、日光が行き渡り、元気な森になっていきます。
成長しすぎた木も、見方を変えれば、ガキ大将のように元気な木です。
そんな立派に育った木を使っておもちゃにし、地域や幼稚園・保育園などの施設で使ってもらい、少しでも木が好きな人を増やしていけたらと思っています。